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2016年03月18日

はなむけの言葉2016


めでたく卒業や修了を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
皆さんが今授与された卒業証書や修了証書には、皆さんの誇りとともに、皆さんを支えていただいた多くの方々の熱い思いが込められています。証書に込められたものを、今後とも大切に育んでいただきたいと思います。
 さて、皆さんの学生生活は、入学当初に目指した「なりたい自分像」を求め て、模索し、努力し続けた日々であったと思います。そして、「高齢者のお世話をしたいから」「料理が好きだから」「子どもが好きだから」だけでは、介護福 祉士や栄養士、保育士などになれないと気付き、専門職としての知識や技術の修得に力を注いでこられました。また、実習現場やインターンシップにおいては、 自分の理想とする将来の姿をイメージしながらも、利用者様や子どもたちの言葉に一喜一憂し、時には実習の厳しさに心が折れそうになったりしながら、自分を 励まし、また同じ目的を持つ友人と支え合い、今日を迎えられたことでしょう。
これからは、自分で、自分にふさわしい人生のシナリオ(脚本)を創って、主役を演じていくことになります。人生は、自分が主役のドラマなのですから。
皆さんには、授業で、本学入学前の自分、在学中の自分、そして卒業後どのよう な自分でありたいか、それに、未来の自分への励ましのメッセージを添えて、「自分史」を創っていただきました。一人ひとりが、自分を見つめ直し、厳しく分 析して、自尊感情に他者との関係や社会との関係を絡ませながら、自分のあるべき姿が素直に書き上げられていました。そして、「無力な自分でも誰かの支えに なれる」と記す人など、それぞれが自分の能力を発揮できる人生のシナリオとなっていました。そこには、この2年間の学びや経験が総合的に活かされていて、 皆さんの成長を実感し、非常にうれしく思いました。
しかし、皆さんも感じているように、人生のシナリオは、そのとおりにいくわけ ではありません。特に、今の社会は、半端じゃないくらいの速度で変化しており、国内外の動きが、人々の日常生活にどのように影響するのかなど、予想するこ とができません。併せて、価値観の変容もあります。その時々の状況に合わせて、自分で判断して役割を演じていかなくてはなりません。
また、「自分史」の中で、「チャンスは必ずつかむ」と記している人がいまし た。まさに、役を演じるには、「チャンスをつかむ」ことも大事です。チャンスボーイは前髪が一本きりだと言われています。その前髪をいかにキャッチするの か。ある著名な学者が、「チャンスの女神は、準備を整えた人を好む」と言っています。たとえ、辛い努力が報われなかった時でも、それを無駄だったとは思わ ないで、諦めずに、誰かが見ていてくれると信じて、次へと結びつける努力を重ね、チャンスボーイの一本の前髪を確実に摑んでください
皆さんの将来は、決して「運命」などではありません。自分らしい情熱を込めた シナリオで、突き進んでほしいと思います。「誰かの情熱で、世界は変えられた」ということがあります。「みんな違ってみんないい」。一人ひとりが自分を信 じて、納得のいくシナリオによる「自分史」となることを期待しています
本日の修了生である専攻科福祉専攻13期生は、本学最後の修了生となります。本専攻科は、平成15年 度に、保育士資格を持つ人が、さらに介護福祉士資格を取得することができる課程として開設されました。それ以来、専攻科の学生が、全国の大学が競う経済産 業省の「社会人基礎力グランプリ決勝大会」で「準大賞」や「会場特別賞」を獲得するなど、有為な人材を輩出してまいりましたが、この度、介護福祉士のさら なる質の向上を目指して、生活未来科生活福祉コースに引き継ぐことといたしました。
13期生は、自分たちの修了論文集を、「飛」と命名し、次のように綴っています。
「今まで周りの人に支えられているばかり、まだ一人で飛ぶことはできなかった。これから、社会に飛び出していく、いろいろな人と関わり、さまざまな経験を積み。自分の力で飛ぶことができるようになりたい」
最後を飾る自分たちが、素晴らしい先輩たちに追いつけるように、大きな翼を広げて堂々と飛び立っていくことをイメージさせる命名であり頼もしく思っています
さらに今年は、2万人を超す、死者、行方不明者が生じた東日本大震災の発生から5年となります。犠牲となられた方々のご冥福と、一日も早い復興・創生を祈り、震災の教訓を風化させないことを皆さんとともに誓いたいと思います。
併せて、奈良佐保短期大学で過ごした日々が、皆さんにとって良い思い出であり、それが誇りや勇気の源となって、ありのままの自分を大切にして、自分のため、また人のために、悔いのない人生を歩まれることを心から願い、はなむけの言葉といたします。

(平成27年度卒業式式辞より抜粋)