奈良佐保短期大学は、中国の大連大学との国際交流協定を締結しました。
調印式に出席するため、8月22日同大学を訪問しました。
調印式の会場となる大学内にあるホテルの正面入り口には「熱烈歓迎日本奈良佐保短期大学学長ご一行」として、訪問者の名前入りの電光掲示が流れ、副学長をはじめとする多くの方の出迎えを受け、文字通りの熱い歓迎に感動いたしました。
本学はこれまで、大連大学の1学部である、大連大学信息工程学院との国際交流協定を結んでおりましたが、これをさらに拡大して、今回は全学部に及ぶ大連大学との国際交流協定となりました。大連大学は、学生数21300余人、敷地面積121.5万平方米、建築面積55.3万平方米、図書館蔵書数146万余冊の、大きな大学です。今後は、幅広い分野の学生や教員等との交流が可能となりました。
調印の後の懇談では、本学がこれまで受け入れてきた交換留学生を通して、日本の学生が、中国の文化やものの考え方に触れることはもちろん、留学生が熱心に学ぶ姿勢から良い刺激を受けていることを伝えました。大連大学校の潘校長は、交換留学生に対する本学の丁寧な受け入れに対して感謝され、今後とも学生を送りたいと申し出られるとともに、本学からの交換留学生が大連大学で学生生活を送ることを期待していると話されました。
世界の多くの国々からの留学生がいるこの大きな大学に、本学の学生が足を踏み入れて、世界を感じ、日本を見直し、視野を広げる体験をさせたいと思いました。
今回、大連大学のほかに、中国廈門(アモイ)のザン州にあるミン南師範大学を訪問しました。同大学にも日本語学科があり、日本の大学との交流を検討したいとのことでした。廈門は、台湾海峡に開けた港町で日本との交流は大連と比べると少ないようでした。今後、両大学の国際化に向けてどのようなことが可能であるかを検討することになりました。
同大学の副学院長の案内で、ザン州の古い町と孔子廟を訪れました。
昔ながらの町並みの軒先で、やさしく子どもに宿題を教える親子の姿がありました。また、孔子廟では、50人位の児童が、指導者の後について、論語を声をそろえて読んでいました。大切な言葉を一生懸命に覚えようとする微笑ましい姿に見とれておりました。親子のつながりや学ぶ謙虚さなど、日本で忘れられがちなことが、この町で、確かな形で受け継がれているように感じました。
日本から飛行機でわずか2,3時間の距離にある中国大連や廈門ですが、学生が、それぞれの国の異なる伝統や文化、ものの考え方などを学び、加えてコミュニケーション力や行動力、課題解決力、さらに様々な立場にある人に共感できる力を養うなど、今だからこそ、国際理解がより進むように、この国際交流協定を実りあるものにしていきたいと考えています。