佐保会学園は、奈良女子高等師範学校(現・奈良女子大学)の同窓会佐保会によって1931年(昭和6年)に佐保女学院が開設されたことに端を発します。その後、短期間における実務者の養成や女子教育の要請、保護者等の経済的負担の軽減等を踏まえて、1949年(昭和24年)の学校教育法の一部改正により、短期大学制度が、暫定的な制度として発足し、その後の学校教育法の一部改正によって、恒久的な制度となりました。さらに、2005年(平成17年)には、「短期大学士」の学位授与制度が創設されました。
本学園においても、国の短期大学制度の変遷に従い、1965年(昭和40年)に佐保女学院から佐保女学院短期大学に昇格し、1969年(昭和44年)には奈良佐保女学院短期大学と校名変更、さらに、2001年(平成13年)には男女共学として奈良佐保短期大学と校名を改め現在に至っています。
なお、佐保会学園は、2021年(令和3年)に、佐保女学院開設から90年を迎えました。その間に、1973年(昭和48年)大阪府に河内長野佐保幼稚園、1976年(昭和51年)岡山県に倉敷佐保幼稚園、1977年(昭和52年)奈良県に生駒佐保幼稚園を開設し、さらに、1993年(平成5年)には、それぞれ奈良佐保女学院短期大学附属河内長野幼稚園、同附属倉敷幼稚園、同附属生駒幼稚園として就学前の幼児教育の振興に力を注いで参りました。また、2015年(平成27年)には、附属河内長野幼稚園が、地域や保護者のニーズ等も踏まえて、認定こども園に認定され、認定こども園奈良佐保短期大学附属河内長野幼稚園に名称を変更いたしました。他の2幼稚園も含めて3幼稚園は、園児にとっては「一生もの」と言われる能力を育むために、それぞれの設置機関において、モンテッソーリ教育法等特色ある幼児教育を展開して評価を得てまいりました。
今、少子化を初め社会や経済状況が大きく変化する中にあって、私学を取り巻く環境は年々厳しさを増し、本学園も少なからずその影響を受けております。
また、昨年発生した新型コロナウイルス感染症により、教育現場も今までにない対応が求められていますが、園児・学生・教職員等すべての構成員の安全確保とこれまで培ってきた良好な教育活動の継続を図ってまいります。子どもや学生たちには、豊かな情緒や深い思考力を育み、対人関係を築き、課題に対してきちんと処理できる能力を育成し、加えて学生たちには、専門職として信頼される知識や技術の定着を図るために、学修者本位の学修システムの構築を図ってまいります。
今後とも、保護者を初め関係の皆様には、お子様に佐保の幼児教育を経験させて良かったと思って頂き、学生たちには、奈良佐保短期大学で学んだことに誇りを持ち実りある大学生活を過ごすことが出来たと満足して巣立ち、社会からはなお一層評価される学園づくりに教職員が一体となって力を尽くしてまいります。皆様方には、これまでと変わらず、よろしくご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げて、理事長就任のご挨拶といたします。
学校法人 佐保会学園 理事長 馬越 かよ子